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秋の読書月間⑨ 再会(再開)

徳野隼也

こんばんは、徳野です。

僕は現在、大学院の1年生であり、そろそろ就活が始まろうとしています。

大学で勉強した専門を仕事とするのか、違う分野に挑戦してみるのか、いろいろ考え中です。

考え中とはいうものの、人生はずっと勉強!これから学ぶことの方が何倍も多い!

結局、なにを仕事にしても一からのスタートかなと思う今日この頃です。

いずれにしても自分が楽しめる場所で生きたいですね。

 

さて、リレー小説に参ります。本日のテーマは再会。某塾長が物語を止めてしまっているので、その意味も込めて。

 

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【第9回】

 

母さんと真理(まり)が何者かによって攫われてしまったかもしれないというのに、和聖はなんとか冷静を保てていた。谷村さんが落ち着いているからだろうか。

当の彼女は家まで走ってきたというのに呼吸が全く乱れていない。ロボットだから当然か、、、

しかし、それにしてもすごい性能だ。家までの道のりは、決して平坦ばかりではなかったし、路地のような細い道、急な方向転換にも危なげなく対応していた。そもそも動力源は?どんなエンジンをつんでいる?制御ソフトは?

彼女がロボットだということを受け入れてしまえば、それ以上に様々な疑問が湧いてくる。

あいつはかなりの研究者だったらしい、、、いや、今はそんなことは後回しだ。母さんたちの痕跡を探さなければ。

 

谷村さんと手分けして家の中を見て回るがこれといった手掛かりは得られない。どの部屋も片付いており、ここで大人が争った後だとは考えにくい。

そういえば、玄関は鍵がかかっていたし、どの窓も割られているどころかしっかり施錠されていた。裏口なんてものはない。

二人して考え込んだしばし静寂を切り裂くように玄関のドアの開く音、そして人の声が聞こえてくる。

 

「ただいまー、鍵開いてると思ったらお兄ちゃんもう帰ってたんだ!

あれ?赤いハイヒールが、、、お客さん? あっ、彼女か! 

お母さんこれ見て! お兄ちゃんがやっと彼女つれてきたよ!」

 

真理の声だ。昔から僕と違って騒がしい妹だったが、この騒がしさに安堵を覚える日が来るとは。母さんと一緒に出かけていたらしい。よかった、ひとまず安心。

二人を出迎えに玄関に向かう。我が家は町屋造りというわけではないが、それでも京都らしく長細い構造になっていて、居間から玄関に向かうには、大人が一人通れるくらいの細い廊下を経由しなければならない。谷村さんも後からついてくる。

 

「真理、そのハイヒールは谷村さんのだよ。彼女なんかじゃない。それよりも母さん、ほんとうは―。」

 

母さんはきっと谷村さんのことを知っていた。知っていたのに僕に隠したのだ。その理由を一刻も早く聞きたかったのに、真理が僕の話をさえぎって言う。

 

「それよりお兄ちゃんにお客さんだよ。買い物からの帰り、道に迷ってるみたいだったから声をかけてみたら偶然お兄ちゃんの会社の人だったの。お母さんがお茶でもどうぞってつれて帰ってきたんだけど、、、お兄ちゃん会社さぼっちゃだめだよ!」

 

ん?会社の人?

最近仕事が楽しくないとはいえ、僕は無断で休んだりはしない。今朝もメールを入れて上司に許しをもらっている。

とはいえ確認しないわけにもいかず、玄関の外に目をやると、たしかに二人のうしろに男性の影がある。

夕日に目を細めながら顔を見るが、見覚えがない。男は40代前後で身長は高め、髪は短く切りそろえている。眉毛が濃く、鼻筋が通っていていかにも真面目そうであった。

知らないな、違う部署なのか?

 

和聖の姿を確認すると、男が容姿に似合わぬ気持ち悪く、そして人を小ばかにしたような声でこう言った。

 

「また会えたね、和聖君~。サンドイッチ美味しかったでしょ~。今日は君を連れて帰りに来たんだよ~。」

 

この気味の悪い声で思い出した。そして、瞬時に理解した。こいつは「奴ら」の一人だ。前にコンビニで声をかけてきた男だ。

 

「どういう意味だ!」

 

「それは帰ったらじっくり教えてあげるよ~。」

 

そういうや否や、男はものすごいスピードで和聖に向かってくる。

和聖は動くことすらできなかったが、男よりも速く移動し、男の前に立ちはだかる者がいた。谷村さんだ。

 

「なるほど、おまえが桜木和真のロボットか、一対一じゃ分が悪いな~。今日のところは帰るけど、次は必ずつれて帰るよ、和聖君~。」

 

そう言い残して男は去って行った。

男が見えなくなると、和聖はその場に座り込んでしまった。情けないことに脚に力が入らない。『奴ら』の恐ろしさは和聖の予想をはるかに上回っていた。

 

「大丈夫ですか?」

 

谷村さんの差し出す手につかまってようやく立ち上がる。

真理は今何が起こったのか全く理解できていないようで呆然としている。

母さんは、驚きつつも、口を引き結び、何かを覚悟するような目をしている。やはり何か知っているんだ。

今日は谷村さんのおかげで助かったが、次はどうなるかわからない。

知らなければならない、父親のことを。

 

つづく

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今日は、和聖の妹の名前が判明しました。真理(まり)ちゃん!

そしてやつと再会しました。今後どうなる!

なんといっても谷村さん強い!

 

前回担当してからどんな風に物語が進んでいるのか楽しみにしていたのに、あんまり進んでいなくて残念でした。今週はどの先生も忙しそうで致し方ない。来週に期待しましょう。

そういうぼくも、今週は中々忙しく、水曜日から金曜日の3日間、千葉に研究発表に行ってきました。そのため、土曜日に出張投稿でした。

 

では、おやすみなさい。

                         金曜日担当 徳野